研究課題/領域番号 |
16209014
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
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研究分担者 |
宮崎 忠昭 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (60272431)
今 重之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (90344499)
小野 悦郎 鳥取大学, 農学部・附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター, 教授 (00160903)
横崎 恭之 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (80210607)
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キーワード | オステオポンチン / 中和抗体 / 癌転移 / 関節リウマチ |
研究概要 |
我々はこれまで、オステオポンチン(OPN)の発現増強が、難治性疾患である関節リウマチ、動脈硬化症、肝炎の発症や増悪に関与していることを明らかにしてきた。 1)本年度は、OPNはTh1型免疫反応を増強させる作用があり、Th1型免疫病に分類されるクローン病においても、発現と病状の悪化が密接に関係していることを明らかにした。さらに分子標的化学療法剤等の副作用としても注目される間質性肺炎において、血液中のOPN値が上昇していることを発見した。これは副作用の予知、あるいは、治療に応用できる可能性を示唆する所見である。 2)更に我々は、マウス及びヒトOPN両方に反応する単クローン抗体を開発した。治療用抗体の開発において、まずマウスに対する抗体を樹立し、マウスの系において治療効果を検討し、有望な抗体においては、相当するヒト抗原に対する抗体を新たに作成し、その効果を検討するという段階を踏まざるを得なかった。しかし、我々が作成したマウスとヒトの両方のOPNに反応する抗体を使用することで同一の抗体を用いた効率の良い開発研究が可能である。しかもこの抗体を用いて我々は、マウス関節リウマチ、癌転移を制御できることを明らかにしている。 3)我々はOPNの発現を特異的に制御することができるsmall interference RNA (siRNA)を作成した。In vitroにおいては、ヒト癌細胞の浸潤を抑制し、in vivoにおいてはTh1型免疫病である肝炎や、網膜ぶどう膜炎を治療することに成功した。
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