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2004 年度 実績報告書

メタロプロテアーゼによる組織破壊の病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16209015
研究種目

基盤研究(A)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岡田 保典  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)

研究分担者 池田 栄二  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30232177)
藤井 豊  福井医科大学, 化学, 助教授 (80211522)
キーワードMMP / ADAM / 組織破壊 / 心筋梗塞 / グリオーマ / MMPインヒビター / MMP-2ノックアウトマウス / プロテアーゼ
研究概要

細胞外や細胞膜上で働くメタロプロテアーゼにはマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)とその近縁遺伝子ファミリーであるADAM分子が知られている。本研究では、これらのメタロプロテアーゼの組織破壊性疾患での役割を明らかにすることを目指して研究を進めており、今年度得られた主な成果は以下の通りである。
(1)MMP-2ノックアウトマウスと野生型マウスにおいて急性心筋梗塞を作製し、後者にはMMP-2選択的インヒビターを投与した。その結果、心筋梗塞後の生存率は野生型では45.8%なのに対し、ノックアウトマウスとインヒビター投与群ではそれぞれ90.0%と81.8%と著明に改善した。野生型マウスの主要死因は梗塞部心筋破裂であり、ノックアウトマウスとインヒビター投与群では心筋破裂は完全に阻止されていた。野生型マウスの心筋梗塞部では潜在型MMP-2の活性化がみられ、梗塞後3日で壊死心筋周囲の細胞外マトリックスの著明な分解と心筋の脆弱化が証明され、これらはノックアウトマウスとインヒビター投与群で強く抑制されていた。また、心筋に存在するラミニンやフィブロネクチンなどのMMP-2による分解産物がマクロファージ浸潤作用を持つことが証明され、ノックアウトマウスとインヒビター投与群では壊死心筋へのマクロファージ浸潤と梗塞後心筋リモデリングが遅延していた。以上のデータは、MMP-2の活性が心筋梗塞後のリモデリングに重要であることを示すとともに、MMP-2インヒビターが心筋梗塞後の心破裂予防に役立つ可能性を示唆している。
(2)ヒトグリオーマにおけるプロテアーゼ型の膜型ADAM分子の発現を網羅的に調べ、ADAM12がグリオブラストーマ細胞において活性型酵素として特異的に発現することを明らかにするとともに、HB-EGFのシェディングを通して腫瘍細胞の増殖に関わる可能性を示した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Targeted deletion or pharmacological inhibition of MMP-2 prevents cardiac rupture after myocardial infarction in mice.2005

    • 著者名/発表者名
      Matsumura S., Iwanaga S., Mochizuki S., Okamoto H., Ogawa S., Okada Y.
    • 雑誌名

      J.Clin.Invest. 115

      ページ: 599-609

  • [雑誌論文] ADAM12 is selectively overexpressed in human glioblastomas and is associated with glioblastoma cell proliferation and shedding of HB-EGF.2004

    • 著者名/発表者名
      Kodama T., Ikeda E., Okada A., Ohtuska T., Shimoda M., Shiomi T., Yoshida K., Nakada M., Ohuchi E., Okada Y.
    • 雑誌名

      Am J.Pathol. 165

      ページ: 1743-1753

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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