研究課題/領域番号 |
16209016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60111449)
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研究分担者 |
伊藤 太二 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60343109)
箕口 滋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60322757)
水谷 壮利 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00376617)
磯辺 俊明 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (70106607)
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キーワード | レトロウイルス / レンチウイルス / ジーンサイレンシング / SWI / SNF複合体 / p54nrb / RNA編集 / 転写後制御 / プロテオミクス |
研究概要 |
本研究では、レトロウイルスやレンチウイルスの初期感染、潜伏感染、再活性化に伴うウイルス遺伝子の発現の開始、維持、抑制と抑制解除の分子機構をクロマチン動態に注目して解明する。特にヒトにおける代表的なクロマチン構造変換因子のサブタイプのひとつで、これまでの我々の成果によりレトロウイルスの発現維持に必須であることが示されているBrm型SWI/SNF複合体を中心に置いて明らかにする。SWI/SNF複合体に弱い親和性で結合するタンパク因子群の解析に先端的なプロテオミクスであるダイレクトナノフローLC-MS/MSシステムを使用したところ、そのひとつとして転写、スプライシング、さらにはRNA editingに関与することが知られるp54nrbを検出した。このタンパク質はHIV RNAの特定配列と結合する活性をもつことも報告されている。p54nrbは精製したSWI/SNF複合体とin vitroで結合し、さらに複合体サブユニットの中で触媒サブユニットであるBrm、BRG1、さらに必須因子のひとつBAF60aには直接結合できる。またin vivoでは、Brmのうち一部がPSP1、p54nrbを共に含むparaspeckleに局在することを見いだした。さらに、特定のmRNAのRNA editing頻度は、細胞内に活性のあるSWI/SNF複合体がないと著しく低下し、同時にこうしたmRNAのparaspeckleへの局在・蓄積が解除されることも明らかになった。従ってSWI/SNF複合体は染色体にあってクロマチンリモデリング因子として機能するばかりではなく、それに引き続き自らが転写に関与したRNA転写産物にも直接作用して、外来遺伝子の認識、RNA editing、核内保持などに関与する可能性が高まった。今後HIVの発現制御におけるこの現象の詳細を追及する。
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