研究課題/領域番号 |
16209018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本庶 佑 京都大学, 医学研究科, 教授 (80090504)
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研究分担者 |
新藏 礼子 京都大学, 医学研究科, 助手 (50362471)
矢部 大介 京都大学, 医学研究科, 助手 (60378643)
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キーワード | Notch / RBP-J / 細胞運命決定 / 細胞分化 / リンパ球分化 / 遺伝子欠損マウス / Mint |
研究概要 |
1.Notchシグナルによる胸腺細胞の分化制御について、活性型Notch受容体の強制発現によるGain-of-FunctionとNotch1受容体やJagged2と呼ばれるのリガンドの遺伝子欠損によるLoss-of-Functionで結果が一致せず論争が続けられてきた。矛盾する結果が生じた原因に、1)哺乳動物にはNotch受容体が4種類、また、そのリガンドが5種類以上が存在する為、Gain-of-Functionから示唆されるNotchシグナルの作用点にて、Notch1やJagged2以外の分子が機能する可能性、2)Notch1やJagged2の遺伝子欠損を他の受容体やリガンドが代償する可能性、3)活性型Notch受容体の強制発現が生理的レベルを超えたものである可能性が挙げられる。そこで、我々は全Notchシグナルのエフェクター分子であるRBP-Jを胸腺細胞特異的に欠損させ、胸腺細胞の分化制御におけるNotch/RBP-Jシグナルの作用点の明確化を試みた。その結果、Notch/RBP-Jシグナルが胸腺細胞のαβT細胞対γδT細胞の運命決定に重要である一方、CD4SP細胞対CD8SP細胞の運命決定には作用しないことを明らかにできた。さらに、末梢にてNotchシグナルがヘルパーT細胞分化を調節することで免疫応答を制御することを世界に先駆けて明らかにした。 2.我々は脾B細胞分化においてNotchシグナルを負に調節する分子としてMintを同定した。Mintは脾臓に加え、胸腺にも強く発現され胸腺細胞の分化制御にてNotchシグナルを負に調節する可能性が示唆されるが、Mint欠損マウスが胎生致死するため詳細な解析が困難であった。そこで、我々はCre/loxP系を用いたMint分子の組織特異的欠損マウスを樹立、現在、胸腺細胞特異的Mint欠損マウスの解析を進めている。
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