研究分担者 |
佐田 文宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90187154)
西條 泰明 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (70360906)
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (10248669)
中澤 裕之 星薬科大学, 薬品分析化学講座, 教授 (50150173)
藤田 晃三 札幌市衛生研究所, 所長(研究職)
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研究概要 |
1.妊婦と小児を対象に前向きコホート研究を実施。妊娠26〜35週の妊婦を対象とし、平成17年2月末まで453名が参加。ベースライン調査として、母の食習慣・生活習慣・職業歴・居住環境等を調べた。 2.児の神経発達に関しては、ファーガン、Bayley Scaleなどの標準化された認知感覚系の行動テスト施行(154名まで終了)。6カ月ではPCB・ダイオキシン類濃度と神経発達評価との間に有意な関連性は見られなかった。 3.甲状腺ホルモンの検討では、妊婦及び女児ではダイオキシン類濃度とTSH,FT4ともに有意な関連は認められなかった。しかし,男児のみに総non-ortho-Co-PCBとTSHが負の関連(β=-0.21,p=0.04),総PCDD濃度とfT4が正の関連(β=0.20,p=0.04)が認められ,性差が示唆された。 4.臍帯血中の総IgE濃度の測定を行ない、母体血中の総dioxin-TEQと有意な正の相関を認めた。 5.母の血液、臍帯血、胎盤、母乳を採取保存している。200検体の母体血のダイオキシン・PCBの濃度を測定した。Total TEQはmedian17.8(4.0-51.2)pg/g・lipidであった。 6.喫煙曝露への遺伝子感受性の違いが新生児体格に及ぼす影響について検討した。新生児平均体重では、GSTM1遺伝子多型においては非喫煙群のGSTM1遺伝子型に対して喫煙群の遺伝子欠損型では新生児平均体重の減少がみられ有意な差があった(p<0.01) 7.異物代謝酵素群多くの遺伝的多型を一度に解析するためのマイクロアレイを作製し、その有用性の検討を行った。マイクロアレイは、CYP2A6とAhRで判定が困難であったが、その他のアレルは判定が可能であった。 8.後、数年続けて神経発達や行動障害、アレルギー発症を観察し、内分泌かく乱物質の影響を検討する。
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