研究課題/領域番号 |
16209033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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研究分担者 |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294083)
水木 満佐央 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80283761)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60346202)
菅原 浩之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40362701)
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キーワード | FLT3 / アナモルシン / 増殖 / 分化 / 造血器腫瘍 |
研究概要 |
我々は、本研究において、1)受容体型チロシンキナーゼに属するFLT3の細胞内シグナル伝達、アポトーシス制御を中心に解析を行うと共に、2)我々が単離した抗アポトーシス分子アナモルシンの造血器腫瘍における役割を検討した。 AMLで認められるFLT3遺伝子のキナーゼ領域の活性化変異に起因する細胞増殖機構を明らかにするために、変異FLT3遺伝子の細胞内チロシン残基22個の1つずつをフェニルアラニンに変異させた。その結果、845、892、922番目のチロシン残基が変異FLT3による増殖・生存に必須であることを明らかにした。更に、これらのチロシン/フェニルアラニン変異体において消失したキナーゼ活性がシャペロン分子Cdc37やHsp70の過剰発現で回復することを見い出した。これらの結果から845、892、922のチロシン残基はFLT3の活性型の構造維持に必須であることが明らかとなった。 アナモルシンについては、約200例の造血器腫瘍患者においてReal time PCR法を用い発現解析を行った。その結果、正常骨髄単核球と比較して2倍から10倍発現している症例が16%、10倍以上発現している症例が17%存在した。特にCLLでアナモルシンの発現が高い傾向が認められた。更に、悪性リンパ腫症例でのアナモルシンの発現を免疫染色で解析した結果、アナモルシンは難治性のマントル細胞リンパ腫に強く発現していることが明らかとなった。 造血器腫瘍におけるアナモルシン発現の意義を検討するために、アナモルシンを高発現する造血器腫瘍細胞株K562にアナモルシンに対するSiRNAをTet-onシステムで誘導的に発現させる系を確立し、現在細胞増殖・分化・生存に及ぼす影響を検討中である。 また、CAGプロモーターを用いたアナモルシンのトランスジェニックマウスの作成が完了しており、現在腫瘍が発生するかどうか解析中である。
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