研究概要 |
(1)全国の大学病院の血液内科の診療科から、合計24件の新規急性骨髄性白血病患者の細胞を収集し、VLA4の発現強度を測定することができた。 (2)3種類のマウス型抗ヒトVLA4抗体(SG/17,SG/19,SG/73)の可変領域のクローニングに成功し、ヒト化キメラ抗VLA4抗体の作製に成功した。また遺伝子導入により得られる抗体量は大量であり、今後のin vivo実験に向けて有用なプラスミドベクターを作製できたと考えられる。 (3)本研究を施行するにあたって遺伝子配列が未知である抗体の可変領域を効率的にクローニングする手法の確立に成功した。(i)可変領域をクローニングする手法として今回、5'-RACE法とDOP-PCR法の2種類を試みたが、全ての抗体において5'-RACE法でクローニングに成功した。(ii)DOP-PCR法でも2種類の抗体のクローニングに成功し、得られたシークエンスは一致した。 (4)作製したヒト化キメラ抗VLA4抗体の効果をin vitroで確認できた。骨髄ストローマ細胞との接着で抗癌剤感受性が低下した急性骨髄性白血病細胞に、同抗体を添加することにより抗癌剤感受性が回復した。
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