研究課題
3T装置躯幹部応用の為の基礎的検討としては、女性骨盤部、上腹部、MRCP、肺、腎臓等において、造影剤使用も念頭においての撮像条件最適化後、1.5T装置との画質、SNR、CNRを比較検討、絶縁padの有用性について検討、多くの成果を得た。MRの適応となりにくい肺においても、3TMRにおいてshort TEを用いたproton density系の画像にて1.6mm厚の薄層MR画像を得、肺実質の詳細構造を描出、又腎臓のdiffusion tesor imagingの撮像に成功、FAmap上の髄質-皮質の差、SNR ADC,FA値について有意差を得た。疾患群対象の検討としては、膵島移植対象患者での非侵襲的評価を目標とし、3Tによる膵臓実質のMRSを試み、シーケンスの最適化を終了、現在はボランティアと患者群の比較、患者群での治療前後、内分泌的パラメターとの相関なども検討中。又、癌の分化度と相関することが報告されているDWI、およびADC値を3T装置においても得るべくシーケンスを最適化、肝臓DWIによるHCCの分化度評価に用い、移植の対象患者では、摘出臓器と病理との相関を得るべく検討中。これら研究の一方、3TMRI躯幹部prototypeシーケンスではSARが上限に近く、熱感・不快感も強いが、臨床への応用に際して先行調査が乏しく資料が少ないため、3TMRCPにおいての症状とSAR、撮像時間、シーケンス毎の相関について検討。以上すべての研究成果を国内、国際学会にてすでに発表、現在この多くを投稿中である。なお上記基礎データの発表に対し、3TMRにおけるcineMRによる子宮蠕動の評価に関して米国Georgetown Universityより共同研究の申し出があり現在進行中である。