研究課題
基盤研究(A)
1、臨床病理学的研究名古屋大学関連施設にて手術施行された30症例より胆管癌組織を収集し、病理組織解析、核酸抽出、蛋白質分析用にわけ、保存した。2、分子生物学的研究(1)収集した臨床検体でのcDNA array法による癌特異的発現遺伝子の解析を開始した。(2)先行実験でおこなった5症例およびヒト胆管癌由来培養細胞4腫HuCCT1、TFKl、HuH28、CCKS1でのcDNA array法の結果をもとに癌組織で特異的に発現している遺伝子としてNek2(NIMA related kinase2)を同定した。Nek2のヒト胆管癌由来培養細胞への導入によるNek2過剰発現株を作成した。Nek2過剰発根株の検討にてNek2が瘍細胞の増殖に関係していることを明らかにした。(3)Nek2を標的にしたNek2 siRNAを開発した。ヒト胆管癌由来培養細胞においてNek2 siRNAの投与により、癌細胞の増殖抑制に成功した。3、担癌モデル動物を用いた解析(1)ヒト胆管癌由来培養細胞によりヌードマウスに皮下発癌を作成した。皮下発癌モデルにおいてNek2 siRNA投与による腫瘍の縮小に成功した。(2)ヒト胆管癌由来培養細胞のヌードマウス腹腔内接種により、腹膜播種モデルの作成に成功した。腹膜播種モデルにおいてNek2 siRNAの腹腔内投与による生存期間の延長に成功した。現在Nek2 siRNAの作用機序の解明および非臨床試験をすすめている。