研究課題
基盤研究(A)
我々は既に、再生医学手法を用いて自己の静脈壁細胞からなるTissue Engineered Vascular Autograftのin vivoでの作成に成功しており,2000年5月以降,東京女子医科大学倫理委員会の承認下に患者家族の十分なインフォームドコンセントを得た後,47名の患者にこの方法による血行再建を行っており、自己骨髄細胞を使用した細胞治療の有効性を確認している。今回、心筋細胞の発生、分化誘導に関与しているGATA4遺伝子を導入した骨髄幹細胞を心筋内移植し、心筋症の治療法の確立を試みた。GATA4遺伝子導入の準備として、ヒトおよびブタのGATA4をPCR法、5'-RACE法、3'-RACE法(pfuUltra High-Fidelity DNA polymerase,5'/3'RACE Kit等)を用いてTAベクターにクローニングした。GATA4の組み込まれたTAベクターと哺乳動物細胞発現ベクター(pcDNA3.1)を制限酵素処理し、GATA4発現ベクター(pcDNA3.1-GATA4)を作製する。この際、無標識GATA4を発現するベクターだけでなく、アッセイ用にGFPを付けたベクターを作製した。野生型発現ベクターを用いてsite-direct mutagenesisでGATA4に変異(Natureにて報告された変異)を導入したベクターを作製し、pcDNA3.1と共にネガティブコントロールとした。実験犬より骨髄細胞を採取し、Ficoll法により単核球成分を集約した。作製したベクターを大量抽出(QIAfilter Plasmid Mega Kit等)し、リポフェクトアミン2000にてトランスフェクションし数日間培養した。GATA4を遺伝子導入した培養細胞における細胞内局在をGFPにて確認した。さらに免疫染色にてGATA4に対する抗体を用いて導入を検討した。また、心筋型ミオシン重鎖や心筋型アクチン等心筋特異的なタンパクとの共染を行うことにより、心筋への分化を検討した。GFPを用いたCell tracingではGATA4の導入は達成され、導入効率の問題点が指摘された。現在、共培養下にて分化誘導ができないか検討をしているところである。また、細胞の起源をcKit陽性細胞に求め、同様の検討を行っている。骨髄間質細胞に大量のGATA4遺伝子導入を行い、心筋化することを試みた。現時点では拍動する段階には至っていないが、ある程度の心筋細胞マーカーを発現する細胞に分化していることから、他のsignalingを応用することにより、骨髄細胞のinvitroでの心筋化を実現させていきたい。
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