研究課題/領域番号 |
16209049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
生水 真紀夫 金沢大学, 医学部附属病院, 助教授 (30226302)
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研究分担者 |
井上 正樹 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (10127186)
村上 弘一 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (20242555)
小野 俊介 金沢大学, 自然科学系研究科, 助教授 (40345591)
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キーワード | アロマターゼ / 活性阻害剤 / 排卵障害 / 子宮筋腫 / 子宮内膜症 |
研究概要 |
本年度は、アロマターゼ阻害剤の臨床応用に向けて、安全性についての基礎的・臨床的検討を行った。マウスにアロマターゼ阻害剤(fadrozole)を投与したところ、大量投与(1mg/kg/day)投与で排卵が抑制され発情周期が消失した。Fadrozole投与中止後、1週間以内に全例で排卵周期が発現し、排卵数・黄体数も対照群のレベルに速やかに回復した。投与終了後、最初の発情期のmatingにより全例で妊娠が成立した。妊娠前のfadrozole投与群では、妊娠期間・胎仔発育も正常群との間に有意差はみられなかった。したがって、マウスではアロマターゼ阻害剤の大量投与では一過性の排卵抑制が生じるものの、投与終了後に性機能は速やかに回復し、胎仔への長期的な影響は認められないと結論された。次に、子宮筋腫核出手術予定の患者に、同意を得て術前にアロマターゼ阻害剤を投与した。手術予定の4-8週間の投与を行ったが、fadrozole 2mg/dayの投与では排卵抑制は観察されなかった。薬剤投与に伴う副作用はいずれの症例にも観察されなかった。投与中に血中のエストロゲン濃度には明らかな減少が認められなかったにもかかわらず、6症例中4例で子宮筋腫体積の縮小が観察された。平均の体積縮小率は25%とGnRHアナログ製剤の投与に比べて縮小効果は小さかった。したがって、アロマターゼ阻害剤の投与は安全と考えられたが、治療効果を挙げるためにはねdrozole以外の薬剤への変更を考慮する必要があるものと考えられた。さらに、排卵障害をもつ不妊症患者の了解を得て、letrozole投与による排卵誘発効果の検討を開始した。エストロゲン拮抗薬であるclomipheneを対照として、cross-over試験を実施し、データーを収集している。
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