研究課題
基礎的検討:エストロゲンの子宮筋腫および内膜症の増殖促進効果とアロマターゼ阻害剤による増殖抑制効果を検討する目的で、1)mitogen-activated protein kinase(MAPK)系、2)その下流にあると考えられるearly growth factor-1(EGR1)、3)insulin like growth facto-1(IGF1)とアロマターゼの関連について検討を行った。その結果、子宮筋腫ではエストロゲンに感受性が高く、恒常的にRaf-Ras-MEK-ERK系が活性化されていること、その一方でanisomycinによる刺激に対するMAPK活性化反応が欠如していることが示された。活性化反応の欠如はEGR-1の発現低下を招き、その下流の少なくとも13遺伝子の発現を低下させていた。さらに、EGR-1の発現低下はRbを介して細胞周期を充進させていた。また、IGF-1はmTORへの作用を介して、アロマターゼ蛋白のリソゾームへの移行を阻止し、アロマターゼ活性を充進させていることが示された。したがって、エストロゲンとIGF-1、アロマターゼは相互に作用して正のループを形成し細胞増殖に促進的に働く可能性が示された。ごく最近、国外の施設から子宮筋腫のアロマターゼ発現プロモーターがわれわれの発表と若干異なる可能性が示された。そこで、筋腫におけるアロマターゼ転写プロモーターの再解析を国際共同研究の形で開始した。臨床的検討:昨年度までに国外でアロマターゼ阻害剤の催奇形性の可能性が報告されたため、国内での臨床治験は中止し、文献報告のモニターおよびメタアナリシスに変更した。これまでのところ、分析可能な報告は未だ少ないが、治療効果はクロミフェンと同等、経済効率はゴナドトロピン製剤より良好と考えられた。
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