研究課題/領域番号 |
16209050
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
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研究分担者 |
松原 洋一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
三ノ輪 治 理化学研究所, ゲノム科学総合研究センター, 上級研究員 (00181967)
芳川 洋 順天堂大学, 医学部, 教授 (50133327)
福島 邦博 岡山大学, 医学部, 講師 (50284112)
横井 秀格 順天堂大学, 医学部, 講師 (80317487)
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キーワード | Gjb2難聴遺伝子 / ミトコンドリア遺伝子 / 聴性脳幹反応 / 動物モデル / 内耳 / コルチ器 |
研究概要 |
GJB2遺伝子変異によって生じる遺伝性難聴モデル動物として、優性的阻害効果を持つ遺伝子変異を導入したトランスジェニックマウスの内耳には変異gjb2 mRNAが正常gjb2 mRNAの3〜4倍発現していた。聴性脳幹反応(ABR)の測定を行うと、トランスジェニックアリル非発現マウスはいずれも35dB以下の閾値であるのに対し、トランスジェニックアリル発現マウスでは閾値が90dB以上に上昇していることが判った。組織学的検討では生後2週においてコルチ器の変性が、生後7週においてコルチ器の変性とラセン神経節の細胞密度低下を認めた。透過型電子顕微鏡では、コルチ器では、内外有毛細胞の変性が明らかで、支持細胞、特に柱細胞の変形によるコルチトンネルの消失が特徴的だった。それに対して、蝸牛外側壁のラセン靭帯の線維細胞、血管条には異常を認めなかった。条件付きノックアウト手法によるgjb2欠失マウスの蝸牛にはCx26蛋白の発現は低下しており、ABRの閾値は100dB前後と高度の難聴を示した。形態学的にはコルチ器の構造が虚脱しており、支持細胞や有毛細胞の変形を認めた。生後9日以降の発達段階での検討では、欠失マウスの蝸牛は機能ならびに形態学的に成熟していないことが判明し、Cx26がマウスの蝸牛の熟成晩期に貢献していることが示唆された。 ミトコンドリアDNA疾患モデルマウス(Mito-Mice)はさまざまのマウス培養細胞を脱核し、細胞体をmtDNAをまったくもたないマウス培養細胞株(ρ^0細胞)に電気融合し、マウス体細胞のmtDNAを導入したサイブリットを単離した。このサイブリットをスクリーニングし、tRNALysからND5までに4696bpを欠失したmtDNAを30%持つサイブリット(Cy4696)を単離する。つぎに、Cy4696を脱核し、その細胞質体をマウス前核期胚の囲卵腔に注入後、電気パルスをかけて両者の細胞膜を融合させ、Cy4696のミトコンドリアをマウス初期胚に導入した。聴性脳幹反応で聴力閾値を測定した結果、週齢が進むに伴って難聴が出現することが明らかとなった。
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