研究課題/領域番号 |
16209051
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 重昭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50002382)
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研究分担者 |
田川 義継 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40109426)
吉田 和彦 北海道大学病院, 助手 (90281807)
南場 研一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70333599)
水木 信久 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90336579)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
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キーワード | 多型microsatellite / ベーチェット病 / pooled DNA法 / 一酸化窒素 / エンドトキシ / アロニア抽出物 / コキサンチン / 顆粒球吸着カラム |
研究概要 |
難治性眼内炎は遺伝的要素と外因的要素が複雑に絡み合って引き起こされる疾病である。本研究では以下の方法で内眼炎の病態解明に努めた。 (1)遺伝的要因の検討;多型microsatelliteを設定し、その中からベーチェット病と相関のあるものをpooled DNA法を用いて責任遺伝子を検討した。現在までに4染色体の第1次スクリーニングを終了し、9%のマーカーが陽性となった。原田病、サルコイドーシスでは既に報告されているHLA-DR領域に相関が見られた。今後は第6染色体以外の遺伝子でも第1次スクリーニングをすすめていく予定である。 (2)外因的要因の検討;外的要因の1つである酸化ストレス、一酸化窒素(NO)に着目し,安全性の高いNO産生抑制作用を示す化合物の探索を行った。エンドトキシンを投与したラットの前房水中には好中球を中心とした炎症細胞の浸潤やタンパク質の漏出、炎症性サイトカインおよびNO濃度の上昇が顕著にみられるが、アロニア抽出物およびワカメ由来のカロテノイドであるフコキサンチンを投与したラットではこれらのパラメータは投与量依存的に抑制された。その抑制効果はステロイド投与群に匹敵していた。 (3)新しい治療法の開発に関しては、薬物に依存しない免疫調整治療の開発、顆粒球吸着カラムを用いた免疫調整治療を行った。既存治療に抵抗性の難治性ぶどう膜炎患者に顆粒球吸着カラムを使用したところ、眼炎症発作頻度が有意に減少した。ただし、無効例もみられ、今後の検討が必要である。
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