研究分担者 |
吉江 弘正 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20143787)
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50226768)
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40161765)
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60159803)
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研究概要 |
本年度は各施設において倫理委員会の申請を行い,その許可を得るのに3〜6か月を要したため,実験のスタートがどの施設でも9月以降になったところが多い。そんな中で,被験者の選定およびサンプルの採取が行われ,現在,約40サンプルについてインベーダー法による遺伝子多型分析が進行中である。これとは別に各研究施設では以下のような成果が得られた。免疫グロブリンG受容体(FcγRIIA)遺伝子多型R/H131はコーカサス系白人慢性歯周炎と関連することが明らかとなった(吉江)。小児型低フォスファターゼ症から点変異遺伝子としてF310LとV365Iを同定した。この2つの変異型遺伝子の機能解析を行い,ALP活性は野生型に比べて,それぞれ67%,31%であり,熱不安定性であることが認められた(渡辺)。α2インテグリン+807C/T遺伝子多型と薬物誘発性歯肉増殖症の相関を検討した結果,Cアレルは歯肉増殖群で有意となり(オッズ比2.42,95% CI=1.49-3.94,p=0.0003),α2インテグリン+807Cアレルは薬物誘発性歯肉増殖症における遺伝危険因子であることが示された(片岡)。免疫グロブリンA受容体FcαRI遺伝子の塩基配列を解析したところリガンド結合領域に新たな遺伝子多型nt324 A/Gを発見し侵襲性歯周炎と関連することが明らかとなった(小林)。マンノース結合レクチン(mannose-binding lectin, MBL)の遺伝子変異は,血中MBL濃度の低下の低下を引き起こし,侵襲性歯周炎の発症と進行に関与している可能性が示唆された(林)。ハンセン病患者において細胞性免疫が破綻する患者群に高頻度に検出されるIL12RB2転写制御領域の多型を同定した。この多型はIL-12レセプターβ2鎖の発現を低下させ,細胞性免疫性の個体差に影響する(大山)。(776字)
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