研究課題
基盤研究(A)
本研究は、産期遺伝看護教育プログラムをe-ラーニングシステムを用いて展開しその評価を行った。研究者らの先行研究による「遺伝看護の実践能力」に基づいて、教育カリキュラムを作成した。7回からなるプログラムは「医療チームの中の役割」「来院目的の明確化と情報収集」「臨床遺伝学の基礎」「先天異常と高齢出産」「出生前検査の実際とガイドライン」「意思決定支援」「中期中絶をうける女性とその家族へのケア」とした。事前事後の問題は、成果評価として用いた。7回のプログラムは、知識を確認する「実践編(テスト方式)」と、受講生の必要性に合わせて、「資料編」の2部構成とした。受講生各自が学ぶ内容を「意思決定する成人型学習法」とした。教材は臨床に近い状況で受講者の関心を引き付け、実践能力の習得をめざし羊水検査のビデオによる教材を作成したり、既存の書籍やWeb上のサイトを紹介した。また、「掲示版」や「チューター制度」により、受講生間の連帯感の補強や学習意欲の維持に努めた。リクルートは、チラシやホームページを活用した。結果75名の受講希望者が本プログラムに登録した。本プログラムの評価は、(1)成果評価(事前事後問題)と(2)プロセス評価(学習の実態・アンケート、インタビュー)を用いた。成果評価としては、95%の受講生が、事後問題において、合格ラインとした8割の達成度に至っていた。受講生の中で本プログラムのターゲット集団となる受講生も合格ラインに達する上昇率を示していた。(2)プロセス評価においては、1回の受講時間はほぼ30分以内であり、受講生は実践編と資料編の両方を活用していた。掲示板等のサポートシステムは、活用した受講生からは高い評価を得ていた。受講生の多くは、このプログラムに満足していた。また、インタビューより卒後教育としての本プログラム内容への受講生のニーズ、遠隔地教育としての教育方法の期待が明らかとなった。
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