研究概要 |
本研究では,アジアモンスーンの影響を受ける巨大湖沼トンレサップ湖,ならびに,メコンンデルタの完新世層序,河成堆積物の変化を明らかにし,古環境復元を行った。また,最近10000年前以降,完新世のメコンデルタの環境変動,最近のベトナムの河川改造に伴う洪水変化が農業地域に洪水変異を与えたことを明らかにした。 メヌンデルタの環境変動が人間活動・社会変動に与えた影響の評価を与えるためにカンボジア・メコン川河道跡を試掘し,最終氷河期以降の河道変遷を示し,堆積速度は長江と比べ緩やかで,堆積量が小さいことを指摘した。さらに,サンボール地区の考古学的知見,オケオ地点の考古学的知見とデルタ地形とを照らし合わせ,プレアンコール,アンコールの王朝変遷にメコン川並びにメコン川支流の流量変化が多く,王朝盛衰に影響を与えたことを指摘した。近年,開発事業によるデルタ改造がベトナム側で急速に開始したことはカンボジア領内のデルタの水文環境を変化させたことを,水文GISの開発を行い,リモートセンシング技術にリンクさせ,メコンデルタの地形解析並びに近年の人工改変が進んだべトナム領内のメコンデルタを主たる対象地域として3Dの洪水シミレーションを行い,2000年洪水と同程度の豪雨時をデルタに再現し,将来的な土地利用変化を過程した場合の洪水範囲について2010年を視野に入れた予測を行た。また,温暖化に向かった場合の低平地の洪水範囲の拡大地域を指摘した。
|