研究課題/領域番号 |
16251001
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地理学
|
研究機関 | 三重大学 (2007) 東京大学 (2004-2006) |
研究代表者 |
春山 成子 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (10267461)
|
研究分担者 |
漆原 和子 法政大学, 文学部, 教授 (00101329)
堀 和明 名城大学, 理工学部, 講師 (70373074)
大倉 博 独立行政法人防災科学研究所, 防災基盤科学技術研究部門, 研究員 (20414394)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2007
|
キーワード | メコン河 / デルタ / 環境復元 / リモートセンシング / 水文GIS / 地形分類図 / 洪水 / アジアモンスーン |
研究概要 |
本研究では、アジアモンスーンの影響を受け得意な洪水を引き起こすメコンデルタを対象に、オールコアボーリングを行い、堆積物から古地理の復元を行い、巨大湖沼トンレサップ湖、ならびに、メコンデルタの完新世の古環境復元を行った。完新世のメコンデルタの環境変動、最近のベトナムの河川改造に伴う洪水変化が農業地域に洪水変異を与えたことを明らかにした。メコンデルタの環境変動が人間活動・社会変動に与えた影響を評価するために、メコン川河道跡から最終氷河期以降の河道変遷を示し、堆積速度が長江と比べ緩やかで堆積量が小さいことを指摘した。サンボール地区の考古学的知見とデルタ地形から、プレアンコール、アンコールの王朝変遷にメコン川並びにメコン川支流の流量変化が多く、王朝盛衰に与えた影響が大きいことを指摘した。また、リモトセンシング技術を用い、近年の洪水マッピングの手法を開発し、デルタ改造がベトナム側で急速に開始したことでカンボジア領内のデルタの水文環境を変化させたことを、水文GISをリモートセンシングと合わせて開発し、メコンデルタの起伏のすくない地形が人工改変によって変化していった過程を示し、合わせて、ベトナム領内のメコンデルタでの3次元の洪水シミレーションを行った。2000年洪水と同程度の豪雨時をデルタ上に再現させたところ、将来にむけて変化する土地利用変化を考え併せると、洪水範囲は2010年に内陸部のカンボジア国境近くまで拡大することが予測できた。地球規模での温暖化に向かった場合、メコンデルタの洪水範囲は拡大することを示した。
|