研究課題
基盤研究(A)
本年度は、研究計画に沿い韓国羅州市長洞里遺跡、中国江蘇省・安徽省の揚子江下流域の旧石器時代遺跡ならびに韓国全谷里遺跡で調査を実施した。(1)韓国羅州市長洞里遺跡の調査厚さ7.5mの堆積物断面から火山灰分析、レスー古土壌編年、磁気層序、粒度分析、OSL年代測定のための系統的なサンプリングを実施した。火山灰分析の結果、ATガラス、K-Tzのβ-qurtzの降灰層準が判明し、予備的な磁化率測定、OSL年代測定結果とも併せて全谷里遺跡のレスー古土壌編年との対比に大きな見通しが得られた。(2)揚子江下流域の旧石器時代遺跡の調査江蘇省放牛山遺跡、和尚〓遺跡、安徽省官山遺跡、陳山遺跡、五里棚遺跡等を巡検し、レスー古土壌連続の観察をおこなった。次年度に予定の特定遺跡に絞った本格的なサンプリングに向けAT、K-Tz火山灰の予想される降灰層準を中心に予備的な試料採取を実施した。(3)韓国連川郡全谷里遺跡2001〜2003年の日韓共同調査で遺跡の形成年代に関わる玄武岩流が2枚確認されていたが、遺跡を包括する全谷里盆地を対象に玄武岩層序・分布の調査、K-Ar、Ar-Ar、FT年代測定用の徹底したサンプリング、上部玄武岩を被覆するレスー古土壌観察にもとづく噴出時期の把握、玄武岩台地上での電探による比抵抗調査等を組織的に実施した。その結果、全谷里盆地内における複数の玄武岩流の流出範囲と過去50万年間の古漢灘江の流路変遷を復原するうえで重要なデータを得るとともに、遺跡の形成年代を絞り込むうえで重要な進展をみた。
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すべて 雑誌論文 (4件)
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