研究課題/領域番号 |
16251008
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
須藤 健一 神戸大学, 大学院国際文化学部, 教授 (10110082)
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研究分担者 |
山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
柄木田 康之 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (80204650)
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 助教授 (60319994)
風間 計博 筑波大学, 大学院社会科学研究科, 助教授 (70323219)
宮内 泰介 北海道大学, 大学院文学研究科, 助教授 (50222328)
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キーワード | 移民コミュニティ / エスニック・アイデンティティ / トランスナショナリズム / 国民文化の形成 / 中国系・華人移民 / 民主主義 / 民族紛争 / 社会・文化創造 |
研究概要 |
平成18年度の調査研究は、研究代表者・分担者がそれぞれに設定した課題に従い、オセアニア各地で調査を行った。その結果、グローバルな動きと各地域住民の対応についての情報を収集し,下記のような新しい知見を得た。 1.ミクロネシア ミクロネシア連邦において柄木田は、離島からの移住民のネットワークとコミュニティ形成の実態、須藤はチューク州の海外移住の動向について調査し、移住者は帰郷より移住先社会での新たな生活やアイデンティティ構築を重視していることを明らかにした。パラオ共和国において、吉岡はエコツーリズムなどの観光、安井は出産儀礼などの「習慣」について調査し、国民文化の形成における伝統文化の再発見と再創造の動きを把握した。 2.ポリネシア 山本はサモアにおいて、サモア的民主主義とグローバルな民主主義の接点としての選挙制度(グローカルなシステム)の変遷と現況について、須藤はタヒチにおいて中国系住民の海外移住戦略、アイデンティティの多重性及びトランスナショナリズ的傾向について調査を行い、新しい動向を示すデータを収集した。 3.メラネシア 市川はパプアニューギニアで華人の移住経験とエスニック・アイデンティティについで調査し、現地化を選択する中国系住民の社会・文化的背要因を明らかにした。白川はヴァヌアツとニューカレドニアで都市住民の調査を行い、地方出身者が故郷の文化を固持する傾向が強いことを指摘している。風間はフィジーでキリバスからの移住者コミュニティの住民が母国の文化との差異化をはかり、国家帰属へ反発する動きを、宮内はソロモン諸島で人々が民族紛争の後遺症に苦しむ一方、新たな社会・文化創造を展開していることを、それぞれの調査によって明らかにした。なお、林は本務機関の都合で本年度は調査を行わなかった。
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