研究課題/領域番号 |
16252008
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
安江 孝司 法政大学, 法学部, 教授 (40061197)
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研究分担者 |
飯田 泰三 法政大学, 法学部, 教授 (00061218)
中程 昌徳 琉球大学, 法文学部, 教授 (50044863)
我部 政男 山梨学院大学, 法学部, 教授 (90045188)
東 善望 白梅学園大学, 名誉教授 (10113284)
細田 亜津子 長崎国際大学, 人間社会学部, 教授 (50331046)
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キーワード | 琉球列島 / 東・東南アジア / 中国華南 / ネットワーク / アイデンティティ / イカット / 民俗 / 基層文化 |
研究概要 |
本研究3年目の本年(平成18年度)は、昨年度に引き続き、当該研究にかかかわる(1)データーベースの補充作業と、(2)フィールド調査を行った。 (1)では、文献資料の体系的整備・拡充につとめた。 (2)では、中国中華南奥地の貴州省(貴陽、安順、反排、凱里、肇興、櫁江、郎徳、報京、鎮遠、鳳凰、銅仁の地方)とフィリッピンのマニラ、ダバオ、バギオの3地域調査を行い、前者では集落と住居形態、民俗・風習、文化問題を、また後者では沖縄人移民問題に集中して、琉球沖縄諸島との史的かかわりを探り、検討した。貴州省の山間奥深い諸地域では、いずれの地も、今日なお開発近代化に染まること少なく、生活形態と心性に伝統が顕在して残っている実態を豊富に知りえて、琉球沖縄文化との史的連関を、また沖縄移民が多く居住するフィリピンの3地域では60戸を個別訪問して移民経緯とその後の生活と意識をつまびらかに伺い(ネットワークの形成・変遷とアイデンティティ問題)を明らかにするための貴重な基礎資料を拡充することが出来た。 調査研究した事項を個別に示しておくと、(1)集落形態では琉球列島にもみられる男系集落と女系集落との問題、(2)住居形態では高床氏と船形屋根問題、(3)民俗・風習では山地民俗と海洋民俗との問題および石敢当たり問題、(4)文化問題では(イ)精神文化問題としての原始的・古代的祭祀宗教・霊魂問題と(ロ)物質文化形象問題(前者では特に「世界観」「創世神話」「伝承」「儀礼」を、後者ではとくに染織の一形態であるイカット(緋織物)問題)、(ハ)移民問題に、いずれも琉球沖縄での在り方との異同に注目することで取り組んできたものである。
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