研究課題
1.広帯域海底地震計の回収2004年8月にソサエティー・ホットスポット周辺に設置した2台の広帯域海底地震計を回収する航海を2005年6月に実施し、2台とも無事回収した。回収された地震計には10か月分の良好な波形が記録されていた。これで本計画による海底地震観測は終了した。2.上部マントル構造(深さ0-200km)の推定回収された広帯域海底地震計を解析し、表面波トモグラフィーによる仏領ポリネシア上部マントル3次元構造を推定した。解析には陸上定常観測点のデータも用いた。仏領ポリネシア地域の平均的な上部マントル速度が同様の海洋底年代を持つ北太平洋上部マントル速度より数%遅いこと、ホットスポット近傍においては特に遅い速度を持つことが分かった。ホットスポット付近の低速度異常は、多くの場合対象とした深さ0-200km全体にわたって検出され、背弧海盆や中央海嶺などに伴う低速度異常よりも深い。3.マントル遷移層(深さ400-700km)の不連続面凹凸の推定回収された広帯域海底地震計を解析し、マントル遷移層不連続面(410km、660km不連続面)の深さとマントル遷移層の厚さを推定した。仏領ポリネシアの遷移層厚さは、平均的には全地球平均値と近く、広域的な温度異常はないことが分かった。ただ、ソサエティー・ホットスポットの南東だけは局所的に660km不連続面は浅く、遷移層が薄くなっていることが分かった。温度に直すと200-300度周囲よりも高い。ここでは局所的に下部マントルから660km不連続面を貫通して高温プルームが上昇していると考えられる。4.火山岩分析フランスIPGPのAlain Bonneville教授らが採取したドレッジ試料の基礎的分析を行い、来年度に予定されている仏領ポリネシア海底火山岩の分析に備えた。
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