研究分担者 |
伊藤 久男 海洋研究開発機構, 地球深部探査センター, 科学計画室長 (10356470)
嶋本 利彦 京都大学, 理学研究科, 教授 (20112170)
松林 修 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究グループ長
田中 秀美 東京大学, 理学系研究科, 講師 (40236625)
矢部 康男 東北大学, 理学研究科, 助手 (30292197)
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研究概要 |
Mori,加納,伊藤,柳谷は,平成17年3月に開始した台湾車籠埔断層掘削計画(TCDP)のボアホール(Hole-A)の深度1100mでの温度モニタリングを継続した.この間,8月までにボアホール内の温度が平衡になっていくのを観測した.9月には,白金抵抗体温度計と水晶振動子温度計を用いて,深度1000mから1200mまでの区間において数個の温度プロファイルを得た.そして,断層帯近傍の深度1111m付近で小さな温度上昇を観測することができた.この温度異常はとても小さく,振幅は約0.6℃である.地震時に大きなすべり(8m)があったことを考えると,このように小さな温度異常は,摩擦熱がとても小さかったこと,さらには,みかけの摩擦係数も小さかったことを示している. 現在,摩擦熱の量と摩擦の大きさを決めるために,このデータのモデリングを行っている.水の流れの影響を推定するため,コア試料から得られた透水係数(嶋本)考慮している.さらに,コア試料で測定された熱伝導率の空間分布(松林)も解析に加えようとしている.暫定的な結果として,みかけの摩擦係数は0.1以下である. この他にも,このボアホールのコア試料の解析を行った.増田は物理的特性(P波,S波速度と透水係数)を測定しており,矢部はこの地域の応力状態を推定するために,コア試料の残留応力測定法をコア試料に適用したい. 1月22日23日の両日,京都大学防災研究所で研究集会を開催し,この計画の多くのメンバーや他の研究者がTCDPや他の掘削計画の研究成果について講演した.
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