研究課題/領域番号 |
16254002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中尾 真一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00155665)
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研究分担者 |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授(センター長) (60143393)
酒井 裕司 東京大学, 大学院工学系研究科, 寄付講座教員 (40361513)
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キーワード | 干ばつ / 渇水地域 / 水資源活用システム / 水浄化システム / 水循環 / 膜技術 / 膜分離活性汚泥法 / 評価基盤 |
研究概要 |
近年、開発途上国のみならず世界における淡水使用量は増加しており、多くの国々において水資源枯渇化地域の拡大が深刻な問題となっている。また、水汚染による生態系への被害も深刻で、そのような地域に先進的な水処理技術、水使用ネットワークシステム技術、水使用合理化技術及びリスク管理技術を導入して統合的な水資源活用システムを構築することは急務となっている。 そのような未開発地域への小規模分散型の水処理技術として、膜を利用した浄水技術やそれに伴う適切な前処理技術の組合せにより、現地での生活、農業、工業用水といった利用用途に合わせた水を得られる技術および評価方法の検討を行っている。 そこで、昨年度の調査結果から、中国現地における膜を利用した生活廃水の浄化試験を遼寧省撫順市にある遼寧石油化工大学構内にて行うことを決定した。具体的な膜による水処理方法として、日本で開発され実用化している膜分離活性汚泥法を採用し、それらの装置設計および作成を行い、水質浄化実験を開始し始めた。BOD、COD、NH_4-N、全リン、動植物油類、濁度、溶存酸素、pHなど基本的な水質測定項目の他にも、汚泥性状、膜圧力、流量といった運転条件などについても検討している。 更に、対象地域の水資源活用状況の調査を行うために、中国山西省大同市、遼寧省撫順市、遼寧省瀋陽市郊外の干ばつ、渇水地域における生活、工業、農業などの水資源利用、浄化の現状および水質などについての調査を行った。中でも、主に撫順市における生活、農業、工業に関する水資源のデータ収集を行い、撫順市内での特定地域における水資源の循環利用を想定した水質、水量の最適化シミュレーションを行うため、データ整理および計算手法の検討を行った。更に、それらの情報を利用して、生活、農業、工業利用を想定した地域での水利用形態に応じた水質、水量の最適化を既存のツールにより検討を行った。
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