研究課題
この3年間、(1)アジア大都市の特徴といえる混住的環境の可能性や、(2)低所得層の居住環境改善を目的としたコミュニティネットワーク活動の動向について研究を進め、今年度は、タイ、フィリピンでのコミュニティ調査を継続している。この課程で、次のようなキーワードを抽出し、計画論的な研究を行っている。・コミュニティネットワーク:タイで実施されているコミュニティ間での連携によるネットワーク活動が、都市全体を視野に入れた低所得者の運動的なエンパワーとなること、また水平的な連携により、各コミュニティの固有の課題の解決に有意義であることを示した。(藤井、佐々木「第9章 共生に向かうコミュニティネットワーク」国際環境共生学 朝倉書店2005)・混住環境:大都市のインナーエリアにある伝統的な用途混住地域や、あるいは一見無秩序にみえるスプロール市街地の固有な特質を、生成の過程を通して再評価し「混住環境」と定義した。(藤井「第8章 都市の混住モデルがもたらすもの」共生のかたち 誠信書房2006)・参加型プロセスを組み込んだ小規模単位での開発:低所得者のコミュニティ開発の調査を通して、小規模単位での住民組織によるイニシアティブの確立がコミュニティの自立的な開発を遂行するためのキー概念となることを論証した。(秋谷、藤井「コミュニティを対象にした住環境整備のプロセスに関する研究」日本都市計画学会学術論文集 2005)(川澄、藤井「小規模住民組織を通したコミュニティ開発に関する研究」日本都市計画学会一般論文集2007年4月)
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日本都市計画学会論文集 42-1
Rationality Utilizaion of National Resources, Socio-Economic conditions in Urbanization process and Development for Hanoi Capital Region
ページ: 239-270