研究課題/領域番号 |
16254006
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
入江 正之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40193700)
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研究分担者 |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40298138)
田辺 新一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30188362)
小松 幸夫 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10133092)
松村 秀一 東京大学, 工学研究科, 助教授 (00199853)
池村 潤 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (90386590)
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キーワード | 保存・修復・再生 / スペイン・カタロニア / 伝統的石造民家 / マジア / 現代建築デザイン思潮 |
研究概要 |
今年度は研究対象であるファッチェスのマジア残存遺構、A棟の3層構成の部分(A-1棟)に絞り、作業に従事した。A-1棟は修復・再生の方法における残存するマジア壁体を維持し、新しい機能を付帯する鉄架構体を内・外部に配する方式の適用部である。研究のスケジュールに従って、マジアに関する文献による継続研究、A-1棟修復・再生のための平面、立断面、矩形の基本各図、内部鉄壁体割付詳細図、屋根部および出入り口・窓等の開口部建具の詳細図、内・外階段詳細図のCADならびに手書きの図面製作、それに基づいたS.1/20模型製作を行った。この日本における基礎的作業を背景として、スペイン、カタロニアのバンデジョス市、並びにカタロニア工科大学、バルセロナ建築大学の協力を得て、ファッチェス残存遺構現場において大別して、二つの作業を行った。一つは残存する壁体の保持であり、もう一つは具体的な建設作業である。前者においては前年度の素材分析より壁の充填材である石灰入り粘土(アルガマサargamasa)にエフロエッセンス現象が多く見受けられるため、残存壁に色調、肌理を考慮したモルタルを外壁、内壁の欠損部に充填補強を行った。後者においては、今後に行われる室内温熱環境、汚染物質の有無、歴史的建築物等の建築ストックの現代的適用への試験体製作である。まず始めに建築確認に伴うカタロニの建築家との打ち合わせ、現場における残存浚渫物撤去後の平面、並びに高さ方向の実測寸法取り、それに伴う原設計図の修正施工図の製作を行った。日本とスペイン・カタロニアの部材寸法、製作の仕方の相違を確認し、相互調整ための意匠、構造設計者と鉄骨架構体製作者の3者打ち合わせを行い、現地での建設方式を決定した。現在、1階内,外構造骨組みまでの施工が完了し、引き続き上階の施工を実施している。.
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