研究課題/領域番号 |
16255001
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 達治 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (50029245)
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研究分担者 |
仁平 卓也 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (70144441)
中川 浩子 (川崎 浩子) 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助手 (30251482)
横田 明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (40106638)
高橋 洋子 北里大学, 北里生命科学研究所, 教授 (80197186)
辨野 義己 大阪大学, 理化学研究所・バイオリソースセンター, 室長 (40087599)
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キーワード | 生物資源 / 微生物多様性 / 東南アジア / 機能多様性 / 微生物保存 |
研究概要 |
台湾並びに東南アジア5ヵ国との交流を行うと同時に、共同研究を通じ保存微生物株の把握と評価を行うことができた。特に、共同研究によりいくつかの学術的成果を得ることができ、微生物資源の多様性とその保護を視野に入れた東南アジア諸国への対応の一つの形を得ることができた。具体的には、東南アジア諸国研究機関で保存されている微生物の評価を行うことにより、国内研究者による技術提供を行うと同時に、国内微生物保存機関への微生物株の委託を可能とした。さらに、新規微生物もいくつか発見することができ、これらについては学術雑誌への投稿を行った。 タイでは、マヒドン大学、カセサート大学、スラナリ大学、バイオテクノロジー研究所を訪問し、保存微生物:窒素固定細菌、病原性腸内細菌、放線菌、酵母菌の評価を行った。また、タイで分離された放線菌について、その生理活性物質の探索と同定のために研究者を招聘し、技術提供と共同研究を行った。その結果、抗寄生虫活性を示す活性物質の単離精製を行うことができた。フィリピンでは、フィリピン大学・ロスバニオス校及びデリマン校を訪問し、保存されている古細菌の評価とその多様性評価を行った。フィリピン大学・ミンダナオ校の研究者を日本に招き、窒素固定細菌の取り扱い並びに、同定方法の手法の指導を行った。ベトナムでは、ベトナム国立大学・ハノイ大学の研究員を招聘し、ハノイ校保存微生物の評価のための同定実験を日本で行った。新規酵母の発見に至った。また、ベトナムを訪問し、乳酸菌についての多様性評価を行った。台湾では、中央研究院(台北)、生物資源保存及研究中心(新竹)、国立中興大学(台中)を訪問し、糸状菌の同定、評価を行った。タイプ由来株が現存していないものについては、分離を試み、epitype strainの提案を行った。国立台湾大学に保存されている乾燥標本の観察を行うことにより、保存糸状菌の評価と今後の共同研究について具体案の作成を行った。インドネシア・ジャカルタ大学の研究者と共に、乳酸菌のアミノ酸生成に関する知見を得、リジン高生産株の育種に向けて共同研究を行った。
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