研究課題/領域番号 |
16255003
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
藤原 一繪 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (80018043)
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研究分担者 |
大野 啓一 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (20213811)
持田 幸良 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (60133047)
佐藤 謙 北海学園大学, 工学部, 教授 (70128817)
中村 幸人 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (50198248)
建石 隆太郎 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (90114545)
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キーワード | アジア / 統合植生図 / 現存植生図 / 潜在自然植生図 / 中国 / ロシア / 韓国 / 東南アジア |
研究概要 |
2006年度は現地調査をロシアおよび中国青海省・チベットの高山荒原、ミャンマー北部でおこなった。さらに千葉大におけるワークショップにおいて凡例検討を行い、モデル図を作成した。 2006年7月22日-8月8日:ヤクーツクからオイミャコンに至る永久凍土地帯のBoreal zoneからSubarctic zoneのダブリアカラマツ針葉樹林帯を植生調査した。対象はダブリアカラマツ林、ハイマツ低木林、氾濫原のカバノキ科低木林、高山植生、高層湿原などであった。植生調査資料は合計193となった。サハリン最高標高にあるロパチナ山系と石灰岩からなるバイダ山の植生は、極域の植生と日本の高山・亜高山植生との中間にある地理的位置を反映して、植生地理学的に両者を繋ぐ特徴を示した。それらの結果は、19年5月22〜27日に北京で開催される、中国生態学会主催の国際シンポジウム、"Eco Summit 2007"において発表の予定である。 2006年9月15日-9月24日:中国の青海省とチベット自治区の亜高帯から高山帯の植生調査を行った。対象は亜高山帯のモミ属針葉樹林、カバノキ属夏緑広葉樹林、温帯乾燥草原(ステップ)、高山風衝草原、塩生地植生、岩角地植生など、気候的極相群落、土地的極相群落を抽出した。 北海道の高山植生を植生地理学的にまとめたモノグラフ、「北海道高山植生誌」を公表し、その中でロシアの植物相ならびに植生との比較検討を部分的ではあるが開始した。このモノグラフに示した北海道の植生資料、日本・ロシア両国の既存研究による資料、さらに本研究によって得てきたロシアにおける新しい資料との比較検討の公表は、19年度の課題としている。 2006年12月21日-30日:ミャンマー北部の植生タイプ解明調査を行った。ミャンマーの植生タイプはタイ国に類似するが、熱帯林と亜熱帯林が混在するタイプとした森林型が抽出された。また一部に乾燥林も混在しているが、森林残存地と破壊地が隣接し、将来性が憂慮される。 植生図としては中国の土地利用図を含め現地調査基盤図と組み合わせた図を2007年5月北京で開催のEco Summitにおいて3年間の現地調査データとともにシンポジウムを組織する予定である。
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