研究概要 |
2007年度は中国におけるEco Summit07において,1日シンポジウムを開催し,アジアの統合植生図と,基盤植生情報の報告を行った.さらに現地調査において,ツンドラ地域,ロシア中央南部,アムール川流域,ラオスの調査を行い地域植生の確認と植生情報を収集した.10月に千葉大において,ロシアのKrestov教授を中心にワークショップを開催第1回討議を行った.その成果を携え,藤原は中国華東市販大学で,中国を中心とした地域の植生図検討を行い,リモートセンシンググループに伝え,さらに11月,12月にワークショップを開催し,植生図の討議を行った. 2007年5月24-27日開催の,中国Eco Summit07において,藤原・Box・Krestov・Da・中村・大野・佐藤(浩)・持田・肖(建石代理)によりSymposiumを開催し,アジアの統合植生図と植生情報の報告を行い,約100人の参加を得た. 2007年6月19日-7月5日:ロシア国チェルスキを対象として,寒帯よりツンドラ植生帯のグランドトルースを行った.Krestov, Box,中村・藤原が参加し,チェルスキ研究所のスタッフが協力した.チェルスキではカラマツ林および湿原でおおわれ,カラマツ林の面積が広いことが確認された.二次植生は広い面積を占めない為,植生図には示されない.北緯69度まで確認した. 2007年7月28日-8月7日:ロシア国サヤン山地植生情報収集(Box, Krestov,佐藤謙,クラノヤルスク研究所協力) 2007年8月8日-8月17日:ロシア国クラノヤルスク-キジルグランドトルース(Krestov,佐藤謙,中村幸人,藤原,クラノヤルスク研究所協力).本地域ではカラマツ林よりヨーロッパアカマツ林への移行帯となり,西へ移行することで,カラマツ林がマツ林に変わる. 2007年9月7日-9月14日:アムール川周辺川辺林確認(Krestov,大野).アジアでは面積も狭く,殆ど残存しない川辺林情報を,ロシアで収集した. 2007年11月24日-27日:上海華東大学における植生図検討.宋教授および達教授と藤原で討議,文献との照合を行った.成果を12月15日のワークショップへ反映した. 2007年11月15日および12月15日:千葉大学におけるワークショップで,植生図を検討した. 2007年12月22日-12月28日:ラオス南部を対象としたグランドトルースを行った(Box,持田,藤原).低地は開発と利用で自然植生が消失しているが,残存する山地常緑広葉樹林まで焼き畑化されている現状であった. 以上の成果と国内調査成果をさらに総合的検討しながら,アジアの統合植生図化と植生情報のまとめを行っている.
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