研究課題/領域番号 |
16255012
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
伊東 正一 鳥取大学, 農学部, 教授 (30222425)
|
研究分担者 |
稲本 志良 龍谷大学, 経済学部, 教授 (80026468)
加古 敏之 国立大学法人神戸大学, 農学部, 教授 (00121533)
山路 永司 国立大学法人東京大学, 農学部, 教授 (10143405)
加賀爪 優 国立大学法人京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20101248)
茅原 紘 国立大学法人信州大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80021088)
|
キーワード | コメ / アジア / 消費減退 / 学校給食 / 作物間国際競争 / 将来予測 |
研究概要 |
今年度の研究活動はワシントンと日本におけるシンポジウムの開催に向けて準備を進めたが、ワシントンでの開催については、米国農務省の協力が十分に得られず、開催を来年度に延期せざるを得なかった。米国におけるコメに対する意識は、寿司ブーム、東洋食ブームなどにより、消費者の間ではかなりの高まりはあるものの、政府や生産者サイドにおいては世界のコメ消費減退に対する危機感は極めて少ないと感じられる。このため、USA Rice Federation(在ワシントン)、及びマリーランド大学、米国ガン研究所(在ワシントン)などを訪問し、2006年秋から冬にかけて共催で実施するように働きかけている。今のところ、これらの機関は協力の意向は示してくれた。 また、欧米諸国のコメ消費の調査をする傍ら、学校給食でコメがどのように使われているかについて、調査した。この結果、東欧(ハンガリー)では、週一回、白米を学校給食で提供はしているものの、料理の方法で栄養士のコメの調理法の知識が限られているため、コメの学校給食が単純化している。さらに、タイなど、アジアの発展途上国においては、学校給食がまだ十分に実施されていない地域もある。アジア諸国に於いてコメ離れは益々進みつつあり、日本の海外協力では、コメの消費拡大に視点を置いた援助が重要になろう。 世界のコメ消費予測では、米国のFAPRIの今年度の予測で新たに下方修正が加えられた。また、本研究での新たな予測では、世界のコメ消費量は、IRRIが2002年に予測している2025年の世界のコメ需要予測5億1,600万トンを大きく下回り、楽観的な予測(シナリオ1)でも2025年の世界のコメ消費量は4億8千万トン、2005年の消費量の16%の増加に留まる見通しである。 日本におけるシンポジウムは3月10日に岡山市内で開催した。今回は世界のコメ需給状況報告に加え、学校給食に焦点を当て、アメリカ、タイ、及び台湾から学校給食の専門家を招聘し、各国における学校給食とコメ消費について論文提出と報告をして頂いた(今回のシンポジウム資料を参照)。会場には全国から約80人の参加があった。 なお、ホームページ「世界の食料統計」(http://worldfood.apionet.or.jp)では毎月の更新を継続するとともに、本研究の成果も各年度ごとに掲載している。
|