研究課題/領域番号 |
16255014
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤山 英保 鳥取大学, 農学部, 教授 (90108796)
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研究分担者 |
山本 定博 鳥取大学, 農学部, 教授 (30200801)
山田 智 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80294346)
岡 真理子 鳥取大学, 農学部, 講師 (20324999)
実岡 寛文 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70162518)
増永 二之 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (10325045)
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キーワード | 塩類集積 / 塩害 / 土壌修復 / ファイトレメデーション / メキシコ南バハカリフォルニア / 塩性土壌 / ソーダ質土壌 / アッケシソウ |
研究概要 |
メキシコ・南バハカリフォルニア州の塩集積圃場について、塩集積に関連する因子を点数化して合計したスコアに灌漑に基づく係数(灌漑方法と水量)をかけて、塩類化危険指数を算出する方法を提案した。 塩集積土壌修復に有望であるアッケシソウやビートはすべてアカザ科であり、好塩性である。そこでアカザ科のフダンソウ(Beta vulgaris L.)を供試し、NaClが短期間の光合成、イオン吸収および窒素吸収・代謝に及ぼす影響を調査することによって好塩性のメカニズムを解明することを試みた。 NaCl10mMはすべての調査項目においてNaCl0mMを上回った。NaCl100mMは処理開始後2時間の硝酸還元酵素活性と光合成が大きく低下し、3日目までの生育が悪かったが、その以後は相対成長率が大きく上昇した。その原因は硝酸還元酵素活性の上昇に伴う光合成活性の上昇であった。このような高濃度のNaClがフダンソウの生育を促進することが認められ、塩集積土壌の修復に利用可能であることがわかった。 塩生植物の耐塩性機構について、根から分泌されるキレート物質が高pH下で不可給化される必須重金属の吸収を改善するのではないかという仮説を立て、それを検証した。pH9の溶液にアッケシソウの根を浸すと溶液のpHが低下するとともにマンガンと亜鉛の可溶化が確認された。同じアカザ科のオカヒジキにおいても同様の現象がみられたが、アッケシソウほどの効果はみられなかったことから耐塩性の強弱がキレート物質の分泌量によって決まることを提案した。
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