研究課題
本年度は、階層構造と接続構造の両方をもつ対象を簡明にモデル化することを目的とした並行言語モデルLMNtalの処理系について、下記の項目の研究開発を行った。(1)新たなコンパイラ最適化機能を設計・実装した。複数ルールの共通部分の編み上げ、システムルールセットのインライン展開、マッチングコスト見積もりによるグループ単位でのルール左辺の並び替えなどによって、プログラムによっては10倍から15倍程度の高速化を実現した。(2)統一されたインタフェースでLMNtalからJavaオブジェクトを利用できる仕組みを作り、Java標準のクラスライブラリのほとんどをLMNtalから利用できるようにした。(3)並列処理ライブラリの拡充・最適化を行った。以前のライブラリは中間コードの解釈実行処理のみの対応であったが、Javaソースコードへの翻訳処理にも対応させるとともに実行オーバーヘッドの削減を行った。(4)データの流れとプロセスの規模を同時に扱う静的型体系を構築し、これに基づいて型検査・型推論を行うアルゴリズムを設計・実装した。(5)実行可視化機能を再設計、再実装して、グラフ自動整形機能をはじめとする機能拡充および性能向上を実現した。(6)宣言的グラフィクス・GUI機能の再実装を行い、例題記述実験を通じて当応用分野への有効性を確認した。またLMNtalと他の計算モデルとの関連付けを一層進めるべく、新たに同期式π計算、Ambient計算、純粋λ計算のエンコード法を設計して処理系上で稼動させた。処理系および例題プログラムをwebから公開するとともに、これらの一連の成果を、LMNtalの実用言語機能およびLMNtal処理系に関する2編の総合報告論文にまとめた(うち1編は採録済)。
すべて 2007 2006 2000
すべて 雑誌論文 (8件)
第9回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL2007)
ページ: 221-232
コンピューターソフトウェア Vol.24(accepted for publication)
Electronic Notes in Theoretical Computer Science Vol. 162
ページ: 327-331
The ALP Newsletter Vol. 19, NO. 2
Proc. Third Workshop on Constraint Handing Rules (CHR2006)
ページ: 1-15
Proc. 22nd Int. Conf. on Logic Programming (ICLP'06) LNCS 4079
ページ: 457-458
日本ソフトウェア科学会第23回大会論文集
ページ: 1A-4
情報科学技術レターズ Vol.6