研究課題
本研究は、クラスタコンピュータの性能の飛躍的な向上を目指して、PC本体と協調しつつ並列分散処理を自律的に支援する機能を持つネットワークシステムの開発を行っている。また、並列プログラムからネットワークが自律的に通信処理を実行する際に必要となる情報を抽出するコンパイラの開発、および応用プログラムを用いた詳細な性能評価、を目的としている。本年度は、昨年度までに得られた知見、評価結果に基づいて、新たなネットワークインタフェースとスイッチボックスの設計開発を行った。新規開発のネットワークは、物理レイヤのバンド幅をほぼ倍増し、またより高性能なプロセッサと大規模FPGAを搭載している。ソフトウェアシステムの研究としては、ネットワークヘ動的にプログラムの実行委託を行える動的オフロード機構を開発した。本機構を用いて並列処理における集合通信を実装し、評価を行った。その結果、動的オフロード機構を用いることで、67%〜86%通信時間を短縮できることを明らかにした。また、本方式によって、ネットワークトラフィック、およびPCとネットワークインタフェース間におけるトラフィックを大幅に削減できることが分かった。また、共有メモリ型並列プログラムから、クラスタコンピュータで実行可能なメッセージ通信型の並列プログラムヘ変換するコンパイラの開発について、さらに最適化を進めた。不要なバリア同期を除去するアルゴリズム開発、ループや関数中でアクセスされる変数情報をhoistingし、アクセスサマリを生成するフィルタの開発を行った。また、実際のクラスタ上で評価を行い、有効性を確認した。本年度の成果については、1編の学術論文と3編の国際会議論文として公表した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (4件)
情報処理学会論文誌 Vol.46,No.5
ページ: 1274-1286
Proc.of IEEE Forth Int.Symp.on Prallel and Distributed Computing
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Proc.of IEEE Pacific Rim Conf.on Communications, Computers and Signal Processing
ページ: 273-276
Proc.of the 17th IASTED Int.conf.on Parallel and Distributed Computing and Systems PDCS 2005 466-130(in CD-ROM)