研究課題
本研究は、クラスタコンピュータの性能の飛躍的な向上を目指して、PC本体と協調しつつ並列分散処理を自律的に支援する機能を持つネットワークシステムの開発を行っている。また、並列プログラムからネットワークが自律的に通信処理を実行する際に必要となる情報を抽出するコンパイラの開発、および応用プログラムを用いた詳細な性能評価、を目的としている。本年度は、昨年度までに設計・開発したネットワークインタフェース、およびスイッチのハードウェアの拡充とともに、ハードウェアとファームウェアの最適化を行った。ソフトウェアシステムの研究としては、本ネットワークへプログラムの実行委託を行えるオフロード機構の最適化とAPI(Application Program Interface)の拡充を行った。オフロードするソフトウェアを効率的に開発できるよう、ネットワークインタフェースにオフロードされるモジュールを、ホストPCでも実行可能とするデバッグ用ライブラリの開発を行った。また、OpenMPプログラムを本クラスタで実行可能とするコンパイラの開発、および不要なバリア同期を除去するアルゴリズムの最適化研究を進めた。さらに、アクセス解析処理をネットワークにオフロードし、転送すべきデータを実行時にネットワークが決定するシステムの開発を行った。また、応用プログラムを用いて性能評価を行った。並列処理において、本ネットワークの自律性がどの程度有効に働くか、ネットワークへオフロードしたソフトウェアモジュールが性能向上にどの程度寄与するか、について詳細に評価した。評価の結果、本機構は、並列処理で一般的に見られる通信パターンに関して、性能向上に極めて有効で、かつオーバヘッドも十分に小さいことを確認した。本年度の成果については、2編の学術論文と3編の国際会議論文として公表した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
Proc. of the IASTED Int. Conf. on Parallel and Distributed Computing nad Networks PDCN2007
ページ: 51-56
電子情報通信学会論文誌D Vol.J89-D, No.5
ページ: 919-931
Journal of Interconnection Networks(JOIN), World Scientific Publishing Vol.7, No.2
ページ: 295-318
Lecture Notes in Computer Science Vol.4330/2006
ページ: 6-17
Lecture Notes in Computer Science VOl.4330/2006
ページ: 362-373