研究課題
基盤研究(B)
IETF(Internet Engineering Task Force)では、IPv6の特徴を活かすことで小規模な組織(サイト)のマルチホームを可能とする方式がいくつか検討されている。マルチアドレスモデルによるend-to-endマルチホームはその一方式であり、ルータではなくエンドホストがマルチホーム環境下における経路選択に主導的な役割を果たす。サイトが複数の上流接続に対しそれぞれ別のIPアドレスの割り当てを受け、経路選択がホストによるアドレスの選択に連動するようにすることで、IPv6アドレスの階層体系の木構造を崩さず、経路情報量を小さく保ったままマルチホームのメリットを享受できる方式である。本研究では、IPv6においてサイト内で階層化されたアドレスの自動割当プロトコルとそれに連動した経路制御プロトコルを設計し実現することで、中小規模組織においても管理者による設定の手間なしに簡便にend-to-endマルチホームを行えるようにした。さらに、提案するend-to-endマルチホーム方式の特徴を十分に活用するトランスポート層プロトコルとしてSCTP(Stream Control Transport Protocol)に着目し、それをEnd-to-endマルチホーム対応とすることで、エンドホスト間の高信頼化を実現した。ベストエフォートという言葉に象徴される低コストながら品質保証がない低信頼性のインターネットの接続回線を、複数束ね冗長化することで、ミッションクリティカルな用途にも用いることのできるだけの信頼度をエンドホスト間で簡便に達成できるようにした。提案の一部はSCTP ADD-IP機能の改良としてRFC5061に採用されている。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)
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http://www.net.ist.i.kyoto-u.ac.jp/ja/index.php?