研究課題
基盤研究(B)
インターネット制御技術の発展は、新たな学術研究形態を創出しつつある。Computational GRIDやData GRIDと呼ばれるネットワーク・コンピューティングはその典型である。このような利用形態では、通信資源を経済的かつ最大の効果を発揮するように利用する技術である動的・広域資源管理の実用化を要請している。同時に、動的・広域資源管理は「通信網が所有する全ての通信資源を対象」に、「利用者が要求する時期・期間」に、「要求する属性と品質に従った通信路を構成するため」に、「障害や罹災時の運用方針」に準じて、「経済的かつ瞬時に資源利用の解」を与えるものとなる。平成16年度は、動的・広域資源管理機能の全体、即ち、「光通信制御技術」、「複数資源によるBundling(複合)技術」、「通信設定(Provisioning)・保護(Protection)・回復(Recovery)技術」、「品質・サービス管理(QoS、CoS)技術」の個別機能の実現法の設計、並びに、これら機能の総合化のためのアーキテクチャを設計した。本機能の検討は、現在世界的に注目されているPCE(Path Computation Element)と呼ばれる最適資源管理システムの実現を目指すものであり、特に、広域通信網の安全性・信頼性を実現するための基本となる。本PCEの設計を併せて実施した。一方、動的管理を実現するOXCやネットワーク機器の物理性能と、高速・高品質を実現する新たな素子の出現を睨みつつ、性能設計の検討に必要な試行実験を組合せることを計画した。これにより、40Gb/sの伝送、24波長多重のWDMを利用し、九州地区に敷設した光ファイバを使用する性能評価試験を実施した。現在の技術により実現できる最高の機材を組合せて、網最適化制御を行った結果は、3秒程度の時間で制御可能であった。この結果を受けて、本研究の目標は、1秒以下と設定することとなった。本成果は国際会議(ECOC及びOFC)において極めて高い評価を受けており、特に、現場試験の成果はECOCにおいて最高位の論文として評価された。これを受けて、欧州並びに米国との国際共同開発が順調に進行した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (7件)
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