研究課題
時間遅れの補償機能を有する頭部搭載型ディスプレーを開発した。まず、頭部の運動計測を、ヴァーチャルリアリティで一般的に用いられる磁気センサによりおこなう。計算機は、頭部位置姿勢から視点情報を計算し、これに基づいて描画を行う。出力される画像は、計測から描画出力までにかかる時間が遅れとして含まれている。一方で、頭部の回転運動をジャイロセンサ等で計測しておき、時間遅れ幅分だけを積分すると、遅れの間にどれだけ頭が回転したかが分かる。そこで、出力された画像信号の中から、遅れ期間内での頭部の回転を考慮した領域を抽出して、ユーザに提示をする。これにより、遅れを含んだ描画システムから、遅れを1フレーム内に押さえ込んだ提示が可能となった。実際に製作したシステムは、SVGA解像度の小型プロジェクタを2式、目と光学共役な位置に配置したものである。画像の切り出しにはフレームメモリを用いた回路を製作した。時間遅れの間の頭部回転運動量はジャイロセンサ2台を使い、PICマイクロプロセッサによって計算を行ない、その結果をフレームメモリに出力している。また、頭部運動から画像出力までを可能な限り同期要素によるシステムとし、その間の遅れ時間を実測する方法を考案、実装したところ、画像の補正精度がさらに向上した。従来製作した同様の構成のプロトタイプと比べ、設計値、性能が向上しかつそれがはっきりと把握できており、安定してより高いレベルでの仮想環境を生成することができる。また、画像切り出しと提示に伴う歪みの存在を指摘し、これを抑制する方法を開発、検証、グラフィクスボード上で計算させるソフトウェアドライバにより実装した。
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IEEE International Conference on Virtual Reality 2007, Poster, IEEE 2007
日本バーチャルリアリティ学会第11回大会論文抄録集,(CD-ROM, 2006, VRSJ.) 11
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