研究概要 |
平成17年度の主な成果は下記3点である. 1.時系列抽象化における新たな手法の開発. ウイルス性肝炎に関して血液検査等における事象間の時系列パターンあるいは「ZTTおよびTTTの検査値において高値をベースに突出値が発生する前にALP値が正常値から高い異常値へと変化する」などの時区間関係の検出・探索を行う時区間関係抽出法を開発した.この手法により,元の慢性肝炎患者の検査履歴データから問題発見につながる重要なデータセットを生成し,多様なデータマイニング手法を適用し新規で有用な知識を発見することが可能となる. 2.肝炎に関するMEDLINEの論文アブストラクトに対するマイニング手法の開発. 背景知識を獲得し,他の発見に活用するための手法であり,肝炎に関する7万件の論文アブストラクトを検討し,その結果を他の研究手法との関連付けることで他の手法による発見成果の解釈や他の手法における探索空間の絞込みなどに役立てることができる. 3.医療専門家の発見の評価. 医療専門家との継続的な議論を通して,彼らから上記手法等による発見の評価を受け,手法や発見の限界や今後の展開について明確にする.最終的には肝炎研究の先端に貢献するよりよい成果を得ることを目指し,上記3点を組合わせる研究活動を行ってきた.
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