研究概要 |
・構造モジュール系 (1)支持構造部を構築するための連続展開が可能なインフレータブルモジュールの構成およびその展開法について検討した.また,新たに可収納型インフレータブル要素を提案し,設計製造方法について検討するとともに,試験モデルの試作,地上展開実験を通して,その構造力学特性を明らかにした.(2)大型構造物の構築のための可収納型インフレータブルチューブならびにマルチセルインフレータブルチューブを用いた構造モジュールの構築について検討し,その試作を行い展開特性を明らかにした.(3)インフレータブルチューブからなる展開型膜面支持構造の構造最適化について検討した.(4)太陽発電膜面の展開のために,インフレータブルチューブと膜が一体となった多角形型要素の構成方法を提案した.従来,単純貼り合せ構成によるインフレータブルチューブの場合に生じやすかった局部座屈形状を避けるため,展開後の形状を考慮した最適設計を行うことにより,平面度の高い膜面パネル構造を製造することを可能にした. ・自動組み立て系 ロボットによる組み立ての自動化が容易なモジュール型宇宙構造として、連続展開可能な宇宙構造物の設計・試作を行った。この構造物は、ロール状のインフレータブルチューブ2本を織り合わせてオクテットトラス構造体を連続的に形成するもので、構造体の2ユニットに相当する移動プラットフォーム上で自動的に組み立てることができる。実際にトラス構造体を試作し、自動組み立て手法の検討をすると同時に、その強度試験などを行った。 ・プランニング系 自律分散型故障検出手法の実応用可能性を調べるために,実規模と同じ一万モジュールを用いたシミュレーション実験を行った.その結果,実データから計算した故障率において100%の故障診断が可能であるだけでなく,その100倍の故障率においても96%以上の診断が可能であることが明らかになった.また,宇宙太陽発電衛星の組み立ての一部として,複数ロボット間のモジュール運搬をロボット間の組織構造を考慮して行う手法を考案し,その有効性をシミュレーション上で検証した.
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