研究概要 |
本研究開発では、微小な対象物を斜め方向から見ながら回転、連続画像を撮像するロータリー光学系の開発と、その連続画像を利用した3次元計測アルゴリズムの開発を行い、数mm角程度の微小対象物全体の3次元モデル構築を行う。16年度は下記3項目の開発を行った。 1)ロータリー光学系の開発 これまでのロータリー光学系の欠点である、観察視野が狭い、焦点深度が十分でない、遠近ひずみがある、を解消するため、あおり光学系による撮像系を開発した。対象、レンズ、撮像面での平行性を保ったまま、ロータリー光学系の撮像中心を視野の中央に置いて回転する光学系を構成した。撮像実験により、5mm角の視野と、十分な視差が得られることを確認した。 2)連続画像撮像処理系の開発 ロータリー光学系で撮像した回転画像中の特徴ポイントに着目し、動きを追跡、それが描く円の径から高さZを、円の中心から(x,y)座標値を決定するアルゴリズムを開発した。多段階閾値により、確実な追跡が出来る輪郭特徴点決定と、追跡のための対応点のDPマッチング手法の開発、追跡結果の統合と生成された円の抽出を実現した。 3)3次元計測アルゴリズムの開発 ロータリー光学系を用いた3次元画像計測の手法として、a)相対計測法とb)不動点検出法の2つの方法を検討した。相対計測法について、具体的にプログラム開発、3次元空間中でのモデル記述を行い、表示する事が出来た。不動点検出法については、微分画像による特徴位置の決定と、そこでの相関値を利用した不動点の選択アルゴリズムを開発した。 以上の成果を元に、平成17年度は3次元モデルの構築を行う。
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