研究概要 |
アルゴリズムの開発およびシステムの性能評価を行う場合,トレーサ粒子で可視化された実際の流れ場を対象とした実験のみでは計測性能の定量的評価やシステムの効率的な改良が行えない.そこで,試作した液晶ディスプレイを用いた模擬トレーサ粒子運動表示システムを用いて,粒子数,粒子径,粒子間隔,粒子速度を任意に変更させることで,システムの計測性能を評価するシステムを製作した.また,ガルバノミラーを用いて,レーザ光を移動させることで,粒子運動を模擬するシステムを試作した.解析手法として,らせんを円近似して解析する方法と近似せずにらせんを正確に解析する二種類のアルゴリズムを製作し,簡単な実験により比較検討を行った.パルスモータのz相とCCDカメラのフィールド信号をカウンタ回路に入力することにより,画像撮影ごとにらせん軌跡の描画開始位置を検出する回路を試作した.撮影される画像は,距離情報を示す円軌跡とその中心点であるが,光路長の違いにより,中心に撮影されるべき点が正確には円軌跡の中心に撮影されない問題がある.そこで,撮影される画像の位置から,中心点のずれ量を推定するアルゴリズムを製作した.カメラ座標と実座標の関係を求めるキャリブレーションにおいては,カメラからいくつかの異なる距離に設置した目盛り板撮影し,モニター上に写った目盛り板をマウスでクリックすることで,効率的かつ正確にキャリブレーションを行う手法を開発した.これにより静止した計測点については,1%未満の誤差で計測が実現できることを確認した. また,任意にデザインした形を三次元モデリング装置でモデル化できるプロセスを作り,任意形状の対象周りの流れを計測するシステムの基盤を作った.
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