研究概要 |
画像による三次元計測を行うにあたり,計測点が多数存在する場合,それぞれの軌跡が重なり画像処理が困難になる.そこで,撮影される中心点を利用してそれぞれの円軌跡の切り出しを行うアルゴリズムを開発した.特に,計測点が動いている場合,軌跡はらせん軌跡になり,その軌跡の中心は計測点の動きに応じて直線となる.まず直線軌跡の方向を判別するために,連続した画像フレーム間で同一粒子の対応を取り,その移動方向から直線軌跡の方向を判別した.短い時間内では,計測点が等速運動すると仮定し,中心を示す直線軌跡を等分割した.また,らせん軌跡も直線軌跡と同じ数だけ等分割し,直線軌跡とらせん軌跡の各線分を一対一で対応させた。横軸に線分番号,また,縦軸に対応付けされた直線軌跡とらせん軌跡の線分間距離をとりグラフを描く.このグラフは直線となり,縦軸は計測器から計測点までの距離に関係し,直線の傾きは計測器から奥行き方向の移動速度に関係する.計測点が多数存在し,軌跡が重なる場合は,算出されたグラフの直線に重なった円軌跡が同時に表示されるので,画像処理により着目する直線のみを抽出する.以上の処理を自動的に行うプログラムを製作した.また,液晶画面に移動する点を描くことでトレーサ粒子を模擬し,その動きを計測することで計測性能評価を試みた.また,底部に回転円盤を設置した円筒形水槽内に生じる旋回流を本計測器で計測し,速度ベクトルを算出することを試みた.
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