研究概要 |
従来の画像処理においては,撮影されるらせん軌跡に対して最小自乗法を用いて円の近似式を算出していた.しかし,最小自乗法では,計測点の増加による軌跡同士の重なりの影響を受け,注目する軌跡の適切な近似解を求めることが困難である.そこで,撮影される軌跡の近傍のみを画像から切り出すアルゴリズムを追加した.また,撮影される螺旋軌跡の中心位置が正確に検出されていない場合,螺旋の径の変化が正弦波状になり,直線的に算出できない問題があった.そこで,求められた螺旋の中心位置を修正しながら径変化をグラフ化し,それが直線的になる 水槽内の計測点を撮影した場合,水槽の形状により屈折の影響を受ける.そのため高精度な計測を行うには,計測結果に対して,歪みを補正する手法が必要となる.そこで,多数の基準点を描いた校正板を水中に設置し,それを計測器で撮影することで歪みの補正を行うアルゴリズムを試作した.具体的には,基準点の実座標とそれを撮影した場合のカメラ座標の位置をテーブル化し,計測位置における歪み量をテーブルから求める方法を用いた. 移動する計測点の計測性能評価を行うために,レーザスポットをガルバノミラーで移動させ,移動するレーザスポット光を計測することを試みた.これにより0.4mm以下の誤差で計測できることを確認した.円筒水槽内に回転円盤を設置し,それを回転させることで生じる旋回流を本計測器で撮影することを試み,流れ場の速度分布を良好に算出できることを確認した.
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