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2005 年度 実績報告書

脳内時間コーディングに関与する神経ダイナミクスの実証的理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 16300068
研究機関京都大学

研究代表者

篠本 滋  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60187383)

キーワード時間コード / 神経スパイクコード
研究概要

本研究は確実性の高い短期的課題と,今後数年をかけて次の研究を育てていくやや長期的課題とを組み合わせて取り組んでいる.その長期的課題は「脳内時間コーディング」である.実験グループとの共同研究として,動物に時間計測をさせるという課題のデータから脳内時間コーディングに関する解析を行い,時間コーディングに関する端緒をつかんだ.現在のところ,データがまだ十分でないために,その結果の普遍性,再現性などの検証に,いますこしの時間が必要である.この,データ待ちの期間に,いくつかの仮説に基づいて時間計測ができるようなニューラルネットワーク・モデルを吟味し,モデルの現実性を議論できるようなレベルに発展させた.短期的課題は,細胞発火のダイナミクスの定性的定量的理解のための実証的な研究である.京都大学医学部,および理研にて行った細胞通電実験のデータを定量的に再現し,スパイク発生タイミングを予測できるモデルの選択に取り組み,単純な準線形モデルがデータの再現,予測をよりよく行うことができることを確認した.
in vivoスパイク特性の研究は大幅に進み,申請者が提案した新統計測度「局所変動係数Lv」によって,神経発火時系列パターンからそのスパイクを発生した細胞の特性を分類できることがわかった(Neural Computation 2003).さらにその後の研究によって,2種の神経細胞群は大脳皮質内のII-III層とV-VI層に偏在することが明らかになった(J.Neurophysiol.2005).スパイク統計性の違いをさらに系統的に調べるため,現代的な統計手法である経験ベイズ法に基づいた統計解析ツールを開発することに成功した(J.Physics A 2005).さらにデータを収集してスパイク特性脳地図を作成するプロジェクトを開始している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Empirical Bayes interpretations of random point events2005

    • 著者名/発表者名
      S.Koyama, S.Shinomoto
    • 雑誌名

      J.Physics A 38

      ページ: L531-L537

  • [雑誌論文] Regional and laminar differences in in vivo firing patterns of primate cortical neurons2005

    • 著者名/発表者名
      S.Shinomoto, Y.Miyazaki, H.Tamura, I.Fujita
    • 雑誌名

      J.Neurophysiol. 94

      ページ: 567-575

  • [雑誌論文] Faithful and unfaithful students in time series learning2005

    • 著者名/発表者名
      R.Kobayashi, Y.Miyazaki, S.Shinomoto
    • 雑誌名

      IMA J.Appl.Math. 70

      ページ: 657-665

  • [雑誌論文] A measure of local variation of inter-spike intervals2005

    • 著者名/発表者名
      S.Shinomoto, K.Miura, S.Koyama
    • 雑誌名

      BioSystems 79

      ページ: 67-72

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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