研究課題/領域番号 |
16300071
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
大関 和夫 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (90317363)
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研究分担者 |
大倉 典子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00317364)
青木 義満 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (00318792)
原島 博 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (60011201)
橋本 周司 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60063806)
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キーワード | 顔画像 / ワイヤフレームモデル / 特徴点 / 合成 / 高精細 / 表情 / 眼球 / 主観評価 |
研究概要 |
本年度研究では、これまでの高速カメラによる瞬き動作の詳細な解析などのプロジェクトの成果を踏まえ、顔画像合成ツールFaceToolにおける瞬き動作合成の改良を行った。昨年までの研究で、高速カメラを用いて瞬き動作のロバストな検出を行い、上瞼の動きを精密に追跡できるようになった。FaceToolによる合成は長らく進展していなかったが、閉眼における動きを詳細化し、より精度の高い合成が可能になった。欧州では、顔にマーカをつけ、代表的特徴点の動きをモーションキャプチャし、ダイナミックな表情合成が行われている。ワイヤーフレームモデルの詳細化も自動化が可能で、より細かいモデルも研究されている。しかし、高精細化の観点で見ると、いくつかの表情合成のような大雑把な動きはリアリティがあるが、その細部を観察すると、特徴点対応の小さいズレや自動的にキャプチャされた動きデータのズレがあることが指摘されており、目部分のみを注視して観察すれば、動きが分離されて顔全体と切り離されている、単純に閉眼と開眼の2種しかなく、途中の動きや、途中のテクスチャは正しく考慮されていない、などの問題点が残されていた。これらの問題点は、小サイズの顔画像アニメーションでは目立たないが、今後の大画面化での拡大表示をするときや、スローモーション効果の合成などでは、目立ち、空間解像度と時間解像度の両面から改造する必要があった。まず、FaceToolの各種動きデータの中で、閉眼のアクションユニットの不整合を調査し、瞼の下線がほぼ水平になるような修正を施した。次にテクスチャは従来1枚の静止画を用いていたが、閉眼などの変形部においては皺も含め、複数のテクスチャを用いた、「動き依存」のテクスチャマッピングの実験を行い、合成画像を自然観のあるものにすることができた。瞼には少なくとも一重と二重があり、個人ごと、表情ごとに、複数の3Dモデルを切り換える、超3Dの優位性が得られるようになってきた。切替が必要なのは、主に目と口と考えられるが、今後、これらの合成が単一3Dモデルの場合と複数3Dモデルの切替の場合で、どのように感性的品質評価が異なるかを明確化し、3Dモデル切替システムの有効性を図って行く。またワイヤーフレームモデルも機械的分割ではなく、顔部品ごとの慎重な分割と、動きに合わせたグルーピングが必要である。これらの成果は、学会発表計画中である。
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