研究課題
基盤研究(B)
顔画像合成システム(FaceTool)を基にモデルを使用して顔の動きを合成するため、ワイヤーフレームモデルの拡張と特徴点の増加,3次元のモデルの拡張、表情の動きデータの改善、瞬きの動き解析と検出、テクスチャの増加などの項目を検討、スローモーション再生への対応、合成画像と実動画像の比較による感性評価などを行なってきた。高速カメラによる瞬き検出では、300ms程度で閉眼と開眼が完了する瞬き動作を検出した。瞬きの閉開の動き全体にわたるパターンの定義ができ、その動きパターンとの類似性を評価することにより、瞬き検出を確実に行なうことができる。他に類似の動きが無いため誤検出は全くなかった。高精細化を図ることを目的とし、本研究では、世界的にもあまり行なわれていない、空間解像度と時間解像度の向上の向上を共に達成するため、方式開発と合成実験を行なって来た。空間解像度の向上では、特徴点の増加とともに、テクスチャの取得を高解像度で行なった。時間解像度の向上では、高速カメラによる瞬き画像の取得を行なった。ここでは安価な民生用の30Hzのビデオカメラを多数使用し、画像合成により高速度カメラと同等の画像の取得を図ることをめざした。確率的高速カメラシステムを構築し、良好な取得を行なうことができた。これにより解像度ではハイビジョンクラスのもので、時間的には、60-90Hzの再生の情報量を生成でき、従って数倍のスローモーション表現を行なうことのできる顔画像の合成が可能となった。感性評価では、FaceToolで合成した画像と、実動画像から得られた表情ごとの差異を主観評価し、統計的処理によって有意な差異があることが示された。FaceToolでは6基本表情に加え、30種ほどの顔の基本的表情が生成できるが、実画像との距離があり、リアリティにおいては今後改善する要素があることが分かった。
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