研究課題/領域番号 |
16300075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報図書館学・人文社会情報学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
土屋 俊 千葉大学, 文学部, 教授 (50155404)
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研究分担者 |
宮埜 壽夫 千葉大学, 文学部, 教授 (90200196)
竹内 比呂也 千葉大学, 文学部, 助教授 (10290149)
佐藤 義則 三重大学, 人文学部, 教授 (60320610)
栗山 正光 常磐大学, 人間科学部, 助教授 (50280904)
逸村 裕 筑波大学, 大学院図書館情報メディア研究科, 教授 (50232418)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 大学図書館 / 学術情報政策 / 科学コミュニケーション / 電子ジャーナル / 図書館相互協力 / 情報サービス / 情報需要 |
研究概要 |
本研究においては、文部(科学)省による大学図書館施策についての時系列的分析、NACSIS-ILLを中心とした図書館間相互貸借(ILL)の現状分析、およびオープンアクセスの動向レビューを実施した。その成果として以下の諸点を明らかにした。すなわち、1)大学図書館に関わる政策では研究資源としての学術情報資源整備に重点が置かれており、高等教育政策における大学図書館についての言及はほぼ皆無であったこと、2)文部省による大学図書館施策は国立大学に対する予算措置を通じてなされており、公立、私立大学に直接的に実施されるものはなかったこと、3)1970年代からの学術情報資源整備政策においては、外国雑誌整備とILLによる資源共有の実現が一つの目標であったが、これは1980年代に学術情報センター(NACSIS)のサービスによって達成され、1990年代には効率的に機能していたこと、4)2002年度以降のコンソーシアムを基礎としたサイトライセンスはNACSIS-ILLにおける外国雑誌掲載論文への複写リクエスト数の大幅な減少をもたらしたが、その一方で国内雑誌掲載論文へのリクエストが増加しており、特に看護及び関連分野でこれが顕著であること、5)医学分野では、国立大学を中心とする大学間のILL件数は大幅に減少しているものの大学以外の機関に対する文献複写提供件数は減少しておらず、大学図書館が大学外の専門家、実務家の情報ニーズを満たすための情報源としても機能していることを示していること、6)オープンアクセス運動は大学図書館機能にも大きな影響を与えているが、わが国では大学図書館を中心としたボトムアップ型のオープンアクセス運動が進行していることである。これらを踏まえ、大学図書館の実務のあり方および大学図書館に関する研究についての提言をまとめ、今後の方向性を示した。
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