研究課題
基盤研究(B)
本研究では、1980〜2003年以降の期間について、各産業別にICTの導入の経済的効果を計測し、ICTの経済的ポテンシャルを分析するとともに、ICTの導入が経済構造へ与える影響を検討することによって、情報経済学の新たな理論的枠組みを構築することを目標としている。今年度はまず、研究に使用する情報システムの再構築を進めるとともに、ICTの導入の産業別の効果を分析するための基礎データとして、「情報装備ストック(情報化投資によって形成された資本ストック)」を1980〜2003年以降まで産業別に計測した。その結果を用いて、産業の非生産部門における情報装備の経済効果を分析し、論文にまとめた。日本社会情報学会に投稿したこの論文によって、同学会の平成16年度学会賞「優秀論文賞」を受賞した。さらに、ICTの供給側の産業である情報サービス産業が他産業・企業におけるICT導入とその経済的効果にどのような影響を与えているのかについて検討を加えつつある。具体的には、経済産業省「特定サービス産業実態調査・情報サービス業編」や「同動態調査・情報サービス業編」、各種マクロ経済および産業別統計資料から得られるデータを売上高、従業員数にもとづいて企業規模別に分類した上で、1企業当たりのデータに変換する。この1企業当たりのデータは、各企業規模に属する平均的な架空の企業のデータと考えることができる。ただし、各年毎のデータは、売上高は日本銀行の企業向けサービス価格指数の情報サービス、人件費は労働省の「毎月勤労統計調査報告」の全産業の名目賃金指数、外注費、その他費用は日本銀行の企業物価指数、電算機借料は企業向けサービス価格指数のレンタル・リースを用い、それぞれ1995年の実質価格年修正している。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
日本社会情報学会学会誌:学術論文(日本社会情報学会) 第16巻1号
ページ: 43-60
Global Economy and Digital Society(ed.by E.Bohlin, et al)
ページ: 89-114
International Telecommunications Society 15^<th> Biennial Conference, September 6-8, 2004, Berlin Germany (印刷中)