研究課題/領域番号 |
16300078
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有川 節夫 九州大学, 理事・副学長(特任教授) (40037221)
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研究分担者 |
藤崎 清孝 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20253487)
池田 大輔 九州大学, 附属図書館研究開発室, 助教授 (00294992)
南 俊朗 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (80315150)
喜田 拓也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (70343316)
矢加部 利幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00182296)
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キーワード | 非接触型ICタグ / RFID(Radio Frequency Identification) / 図書館自動化・ディジタル化 / 電子図書館 / 自動貸出・返却機 / 蔵書管理省力化 / インテリジェント(スマート)書架 / PID・セキュリティ技術 |
研究概要 |
本研究の大きな目的の一つは、日々進化するRFID技術の調査である。本年度は、シンガポール近隣の図書館とタグ関連企業、国内の複数の図書館を訪問し、意見交換を行った。この中にはギガヘルツ帯のタグを導入した館も含まれる。また、第7回自動認識総合展(平成17年9月開催)に参加し、図書館に限らずRFIDタグシステムの最新動向調査を行なった。 前年度までの実証実験により、RFIDタグシステムを用いた自動貸出返却装置は実用レベルに逹していると判断できた。今年度は、さらにハンディRFIDリーダを用いた蔵書点検作業の精度および時間・労力などのコスト評価を行い、蔵書点検も従来のバーコードによる点検より数倍早いことを定量的に示した。しかし、不正帯出防止ゲートの安定的な運用については、図書館システム全体の連携や図書館職員の運用の工夫などが必要であることが分かった。また、電動自動書庫とRFIDシステムとの連携を実施し、確実な運用を可能にした。 さらに、高度な図書館サービスを可能にするRFIDタグシステムの可能性を検証した。高性能な複数タグ一括読取精度を持つRFIDリーダを組み込んだインテリジェント書架を用いて、リアルタイムで配架状況把握について定量的な解析を行った。実験結果から、薄い冊子についてはタグの位置について工夫が必要であるが、実用上問題ない精度で読み取り可能であることが分かった。これにより、OPACと連動して書架内の本の位置まで検索結果に提供したり、新着本や返却された本などのコーナーを作り自由に配下位置を変えても利用者はその位置を検索結果で把握できたりする。このような新たな図書館サービスの可能性について研究会で報告した。 その他、第28,29,30回ディジタル図書館ワークショップなどで講演を行った。また、安定運用に入った筑紫分館のRFIDタグシステムの動画付きWebページを作成し、本研究の成果を一般にも広報している。本研究グループによるRFIDタグシステムへの取り組みは国内では広く認知され始め、ICタグ関連書籍に図書館でのタグシステムの運用事例紹介記事の執筆を依頼され、出版された。
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