研究概要 |
地域の慢性的な健康問題や健康被害の特異性を早期に検出し注意喚起を行うバイオ・サーベイランスでは症候の時間・空間的特異性を評価するための統計モデル開発が重要であり.中でも有意な集積地域を同定する検定法(cluster detection test)は本研究課題におけるバイオ・サーベランスの早期対策を立てる上で大変有用である.本年度では,世界的に広く用いられているKulldorffの方法を改良する形で導出される新たな検定手法Flexible scan法を検討する.Kulldorffの方法はScan統計量に基づき,最大尤度比を用いる検定であるが,そのscan統計量の設定の問題から,円状に近い地域(cluster)しか同定できない性質がある.しかし,実際の疾病の集積地域としては,河川や道路に沿った地域など様々な形状の地域が考えられ,必ずしも円状とは限らない.そこで我々は,任意の形状の集積地域を同定できるようなscan統計量としてflexible scan統計量を定義しそれに基づくFlexible scan法を提案し、その挙動を検討する予定である。 海外の研究協力者であるハーバード大のKulldorff助教授とは、平成18年1月にハーバード大で開催されたバイオ・サーベイランス会議iに出席して本研究の共同研究をおこなった。
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